新田菜穂子の壊された日常 27
しみるけいさんによる写真ACからの写真

≪ 三、たまたま偶然見てただけ、だからね! 6 ≫



「じゃあ、ありがたくいただくことにするよ。ねえ、菜穂子さん」


 今度は一真から同意を求められ、気後れしながらも、菜穂子は首肯する。


「え? え、ええ。ありがとうございます」


 軽く頭を下げると、おばあさんが満足げな笑みを見せた。


「それじゃあ、お2人とも末永くお幸せにね」


 しみじみと告げられた言葉に、菜穂子は何も返せない。


「え……、あー……」


 曖昧な笑みを浮かべる横で、一真がおばあさんの手を取る。


「ありがとう! おばあちゃんも元気でね!」
「さようなら」


 おばあさんはにっこりと微笑み深々とお辞儀をすると、今度こそ踵を返し去っていった。

一つ前を読む   小説の部屋に戻る   次を読む





オープニング背景画像: acworksさんによる写真ACからの写真