新田菜穂子の壊された日常 31
しみるけいさんによる写真ACからの写真

≪ 三、たまたま偶然見てただけ、だからね! 10 ≫



 落ち着き払った目で質問を重ねてくる。


「その好きな人は今近くにいない人なんじゃないですか?」


 やはり以前直己から聞いたという話は本当らしい。

小さく吐息して、きっぱりと宣言する。


「近くにいなくても想い合うことはできます」
「でもあなたは近くにいないから
彼を解放してあげようと思ったんじゃなかったんですか?」


 かなり突っ込んだことを尋ねられ、菜穂子は片眉を上げる。


「誰からそのことを?」


 まさか彩香が話したのだろうか。

そんなタイプの子ではないと踏んでいたのだが。

拳を握り締めて問いかけると、一真が種明かしをした。


一つ前を読む   小説の部屋に戻る   次を読む





オープニング背景画像: acworksさんによる写真ACからの写真