しみるけいさんによる写真ACからの写真 ≪ 四、私の顔、なんか変? 2 ≫「そっか。もういるんだな」 田宮の言葉に菜穂子は目を瞬かせる。「え? 何が?」 意味が分からず訊ねると、田宮が小さく舌を打った。「相手だよ、相手。誰? 俺の知ってるヤツ?」 なんの前触れもなく本題に入られ、菜穂子は慌てる。「ち、違うわよ。いないいない。ただ……」 なんと説明したらいいのか迷い言い淀むと、田宮に話を促される。「なんだ?」 田宮に問われ、菜穂子は呼吸を整えた。決意を固め、想いを告げる。私ね、あなたのことまだ好きだって言うつもりで来たのよ。その、つもりだったんだけど」 言葉を切ると、田宮が盛大に肩を落とした。一つ前を読む 小説の部屋に戻る 次を読むオープニング背景画像: acworksさんによる写真ACからの写真