新田菜穂子の壊された日常 37
しみるけいさんによる写真ACからの写真

≪ 四、私の顔、なんか変? 2 ≫



「そっか。もういるんだな」


 田宮の言葉に菜穂子は目を瞬かせる。


「え? 何が?」


 意味が分からず訊ねると、田宮が小さく舌を打った。


「相手だよ、相手。誰? 俺の知ってるヤツ?」


 なんの前触れもなく本題に入られ、菜穂子は慌てる。


「ち、違うわよ。いないいない。ただ……」


 なんと説明したらいいのか迷い言い淀むと、田宮に話を促される。


「なんだ?」


 田宮に問われ、菜穂子は呼吸を整えた。決意を固め、想いを告げる。


私ね、あなたのことまだ好きだって言うつもりで来たのよ。その、つもりだったんだけど」


 言葉を切ると、田宮が盛大に肩を落とした。

一つ前を読む   小説の部屋に戻る   次を読む





オープニング背景画像: acworksさんによる写真ACからの写真