新田菜穂子の壊された日常 43
しみるけいさんによる写真ACからの写真

≪ 四、私の顔、なんか変? 8 ≫



「生理的に受けつけないとかですか?」
「え? ううん。話も面白かったし、一緒にいて苦痛だってことはなかったけどさ」


 寧ろ心地が良かった。ちょっと胸の動悸が酷くて困ったことにはなっていたけど、
別れ際は淋しいとさえ思ってしまったくらいだ。


「なら、お付き合いしてみればいいじゃないですか」


 簡単に片付けようとする彩香に、菜穂子は待ったをかける。


「そんなこと言っても試しにとかいうのが通用する歳でもないのよ、私は」


 35過ぎているのにお試し期間などと言っていられるほどの余裕は自分にはない。

だが、予想に反して彩香が真剣な瞳で見つめてきた。


「試しに、じゃなくて、ちゃんと向き合うって意味ですよ。
今回もう1度プロポーズされてるんですよね?」


 質問され、菜穂子はためらうことなく首肯する。

しかし頷きながらも、自らの考えを告げた。

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オープニング背景画像: acworksさんによる写真ACからの写真