新田菜穂子の壊された日常 47
しみるけいさんによる写真ACからの写真

≪ 四、私の顔、なんか変? 12 ≫



「それより、コーヒーまだ残ってます?」


 液晶画面に目を向けたまま尋ねると、田中が氷を揺らす音が聞こえた。


「なくなりました」
「なら作ります」


 詮索されたくなくてこれ幸いと立ち上がる。

だが、その計画は虚しくも事務室への入口に立っていた田中によっ阻まれてしまった。

いえいえ、と田中が首を横に振る。


「それくらい僕が作りますから。
そんなことより、独りで抱え込むのは健康に良くないですよ」


 諭されるように紡がれた言葉へ対し、菜穂子は小さく呻いた。

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オープニング背景画像: acworksさんによる写真ACからの写真