新田菜穂子の壊された日常 48
しみるけいさんによる写真ACからの写真

≪ 四、私の顔、なんか変? 13 ≫



「まあ、確かに……」


 菜穂子は頬杖をついて吐息する。

大抵はここで話が途切れるのだが、今日の田中はいつもより強引だった。


「よかったら話してみてくださいよ」


 言い募ってくる田中に、菜穂子は視線を送る。


「って言うか、彩香さんから聞いてないんですか?」


 問いかけると、田中が不思議そうに首を捻った。


「何をです?」


 どうやら本当に知らないらしい。

菜穂子は決まりが悪くなり、微かに頬を掻いた。


「あーいえ、いいんです。
彩香さんには相談していたので、館長も知っていると思ってただけです」
「そうだったんですか。
けど、彩香さんは特別助けが必要だということでない限り、
友人間の問題を僕に話したりはしない気がしますね」


 腕を組み一語一語丁寧に語る田中を見ながら、菜穂子は彩香と田中の仲を思う。

色々とヤキモキさせられた時もあったから、
仲睦まじい様子が聞けるとなんだかほっとするのである。

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