新田菜穂子の壊された日常 52
しみるけいさんによる写真ACからの写真

≪ 四、私の顔、なんか変? 17 ≫



「なら、話は簡単です。
今すぐ連絡して、『会いたい』って言っちゃえばいいんですよ」
「わ、私からですか?」


 田中の提案に彩香は目を丸くする。

何故私が、とも思ったので知らずキツい視線を送ると、田中がふんぞり返った。


「当たり前です。彼はもう十分菜穂子さんに尽くしてくれたじゃないですか。
今度は菜穂子さんの番ですよ。違いますか?」
「う……」


 正論で畳み掛けられ、菜穂子は呻く。


「ほらほら、迷ってないですぐにメッセージを送りましょう。さあさあ」


 スマホを指し示しながらぐいぐいと迫ってきて、菜穂子は一瞬だが恐怖を感じた。


「か、館長、なんだか最近随分と強引になられたんじゃありません?」


 引き気味に問うと、田中が不思議そうに首を傾げる。


「そうですか?」


 きょとんとした視線で尋ねられ、菜穂子は自然中腰になった。

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