恋に落ちた瞬間(とき) 51
とちぎさんによる写真ACからの写真

≪ 三、恋に落ちたあと 8 ≫



「あれ? 亮司の従妹ちゃんは? もしかして席取ってくれてたりする?」
「いえ、あの用事があるとかで」

 二人だけだと告げることがすでに恥ずかしい。
こんな状態で一正と一緒にお昼を行けるのだろうか。
いやそれよりも、二人だとわかって断られたどうすればいいだろう。
グルグルと色んな不安が駆け巡っていく。

「そうなの?」
「あ、あのそれで、これ公子から貰ったので外で食べませんか?」

 園子は一正に断られる前にランチボックスを彼に見せた。
優しい彼のことだ。すでに昼食が用意されていると知れば一緒にすごしてくれるだろう。

「え? そうなんだ。それじゃ、飲み物買ってベンチのある場所に行こうか」
「はい」

 園子は一正の返答に心の底から安堵した。

 飲み物を購入したあと、木々がまばらに植えられている場所へと移動する。
木を背にするように置かれているベンチは、日当たりもよく比較的人気のスポットだ。
普段なら早い者勝ちとなる場所なのだが、運よく今日に限っては貸し切りの状態だった。

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