恋に落ちた瞬間(とき) 7
とちぎさんによる写真ACからの写真

≪ 一、夕飯前のひととき 7 ≫



「私も知りたいね。
園子さんのような美人でしっかりした嫁がどうして一正を選んでくれたんだい?」
「そんなお義母様。美人でしっかりした嫁だなんて、ありがとうございます」

 園子は、姑の讃辞に恐縮するも、嬉しさで頬を熱くした。さらに艶子が続く。

「一正は果報者だって孝一もお狐様に言っておりましたよ」
「そんな……」

 このままでは夫との馴れ初めを話すことになりそうだ。
別に話してもいいのだが、照れくささもあって躊躇してしまう。
そんなこちらの気持ちを見透かしているかのように、清美がさらに追い打ちをかけてくる。

「どんな馴れ初めなの?」

 清美がテーブルに両肘をつき、手のひらに顔を置いて満面の笑みを向けてきた。
娘だけではなく、正子と艶子の視線も一身に浴びる。園子は肩を竦め、居住まいを正した。

「……そんな大したものじゃないのよ? それでも聞きたい?」

 頷く娘たちへ順々に目線を向けながら、園子は一正と出会った頃のことを脳裏に描いた。

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オープニング背景画像:nanairo125さんによる写真ACからの写真