夕立 14
K-systemさんによる写真ACからの写真

  五



「そんなことより、そろそろ本題に入りませんか? 叔父さん」


 頭の中に湧き上がってくる雑念を振り払うように、
わたしはソファから身を乗り出す。


「そうだな、ああ、そうしよう」


 叔父は頷き、逆にソファの背へと寄りかかった。


「とは言っても実のところ、
僕もこの件についてはあまりよく解っていなくてね……」


 いつになく難しい顔をした叔父へ対し、わたしは目を瞬く。


「どんな依頼なんです?」
「なんでも行方不明になっている自分の家族の本当の消息を知りたいんだそうだよ。
そのためなら何年かかっても構わないし、費用も惜しまないと言うんだ」
「うさんくさい話ですね」


 思い切り眉根を寄せ言い切るわたしに苦笑して、
叔父は一度降ろしたカップをまた口にした。

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