夕立 15
K-systemさんによる写真ACからの写真

  五



「もしも幽霊がいると仮定して、だな。その幽霊に足はあると思うかい?」


 急にトーンを落とし、

ひそひそと囁くように尋ねてくる叔父に、わたしは眉根を寄せる。


「なんですか、それ。やぶからぼうに」
「いや、結構真面目に訊いてるんだが」
「ないに決まってるでしょう、そんなの」


 わたしは声を荒げた。

今はなぞなぞに付き合っている余裕などない。

そんなことはとっくに分かっているはずなのに、と内心で毒づく。

すると叔父は、左の人差し指をぴんと立て、
そうか、といたずらっぽい視線を投げてよこした。


「じゃあ、一つ賭けをしてみないか?」
「何をです」


 腹立ち紛れにストローを転がし、残り少ないアイスコーヒーを啜りながら問う。


「これさ」


 叔父が目前に小さな紙片を差し出してきた。

ただ見ろ、と視線で促す叔父を怪訝に思いつつ、言われるままに紙片へ目を落とす。

 次の瞬間、わたしは叫んでいた。

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