夕立 16
K-systemさんによる写真ACからの写真

  五



「冗談でしょう!」
「本気だよ」


 叔父はさらりと答え、
忙しく立ち回る店員にいそいそとコーヒーの追加注文をする。

わたしは紙片と叔父とをを交互に見比べ、
信じられない心持ちで首を左右に振った。


「まあ、信じられないっていうのも無理ないけどね」


 僕も最初は驚いたし、と叔父はずり下がる眼鏡を上げ、にやりとする。


「大谷優が依頼人だっていうんですか? だって彼は二十年前に……」
「だからさ」


 叔父は急に表情を改め見つめてきた。


「確かめて欲しいんだよ」
「なんでわたしに……」


 慌てて視線を逸らそうと試みる。

だが、追いかけるように聞こえてきた叔父の言葉に、動きを止めた。

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オープニング背景画像: K-factoryさんによる写真ACからの写真