夕立 23
K-systemさんによる写真ACからの写真

  六



「ありがとうございます」


 一礼して、椅子に腰掛ける。


「早速ですが、ご依頼内容の確認をさせていただいてよろしいでしょうか」
「わかりました」


 彼が頷くのを見て、わたしは問う。


「ご依頼の内容は『大谷家の人々の真の消息について』でお間違いございませんか?」
「間違いありません」
「では、これはごく基本的なことなのですが……」


 一度言葉を切った。次の問いを投げかけるのは、少し勇気がいった。

わたしは肺に溜め込んだ息を一気に吐き出し、質問を投げかけた。


「あなたは、大谷優氏、ご本人で間違いないのですね?」
「はい」
「では、一応確認のため、生年月日と現在の年齢を教えていただけますか?」


「昭和五十二年十一月十日生まれ。年齢は二十八歳です」


 これでよろしいでしょうか、と訊ねる声に向い、無言で頷く。

実際は顔が見えないだけに未だ半信半疑だったのだが、
これ以上突いてみたからといって、何か有益なことがあるとも思えない。

わたしは本題へ入ることにした。

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