夕立 6
K-systemさんによる写真ACからの写真

  三



「うん。まあ、そういうわけでもないんだが。なかなか適任者がいなくてね……」
「適任者?」
「あ、いや、まあ……。
詳しいことは直接会って話そうじゃないか。肝心の書類も渡さなくてはならないし」


 叔父は困り果てた口調で何かを言いかけ、語尾を濁した。


「ユキ叔父?」
「事務所の方に来てくれるかな。待っているから」
「はあ……」


 叔父の言動が気になりながらも、受話器を置いた。

シャワーを浴び、手短にあった黒い薄地のハイネックと、ブルーのジーパンを着込む。

口紅と頬紅のみの簡単なメイクで一応の身なりを整え黒い革のスニーカーを穿いて外に出ると、
日中の鋭い光が全身を貫いた。

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オープニング背景画像: K-factoryさんによる写真ACからの写真